システマティック・レビュー

システマティック・レビューとは、明確に作られたクエスチョンに対し、系統的で明示的な方法を用いて、適切な研究を同定、選択、評価を行なうことで作成するレビューを言う。一般的には介入の有効性をクエスチョンとすることが多いが、リスク因子、診断検査の正確性など他のテーマに関してもシステマティック・レビューは実施し得る。メタ解析とは、過去に行われた複数の臨床試験の結果を、統計学の手法を用いて統合して、全体としてどのような傾向が見られるかを解析する研究方法である。
たとえば、心房細動患者へのA薬投与による脳卒中の一次予防効果を明らかにするために介入研究が実施されたとする。システマティック・レビューによってA薬投与の効果を明確にするためには、過去に行われた複数の独立した研究成果をできるだけ系統的、網羅的に収集するように配慮し、研究の質についても吟味しなければならない。また、メタ解析を行う場合は、統合の可否を十分に検討したうえで、適切な統計モデルを用いて解析を行わなければならない。

 

「横山徹爾:はじめて学ぶやさしい疫学(日本疫学会監修), 改訂第2版, p71-80, 2010, 南江堂」より許諾を得て抜粋し転載.

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