交絡バイアス 交絡因子

交絡バイアスは、要因とアウトカムの双方に関連し、片方の集団に偏って存在する交絡因子の存在によって生じる。交絡因子は、2つの集団のアウトカムを比較する際に、1)アウトカムに影響を与える、2)要因と関連がある、3)要因とアウトカムの中間因子でない、という3つの条件を満たす。
コーヒーの飲用と心筋梗塞の関連をみる際、喫煙が交絡因子となった研究を例にとる。調査の結果、コーヒーを飲用していた集団は、飲用していない集団よりも心筋梗塞の発生が多くみられたとする。しかし、コーヒーの飲用が心筋梗塞を発生させる要因となったわけではなく、喫煙者にコーヒーの飲用が多くみられたために、あたかもコーヒーの飲用と心筋梗塞が関連しているかのようにみえたという例である(喫煙と心筋梗塞に関連があることは自明とする)。このとき、交絡因子である喫煙は、1)心筋梗塞に影響を与え、2)コーヒーの飲用集団に喫煙者の割合が高く、3)コーヒーの飲用と心筋梗塞の中間因子ではないという条件を満たす。

トップ・目次に戻る