インフォームド・コンセント

研究参加者は、研究内容に関して十分な説明を受けて十分に理解して納得した後に、完全な自由意思によって自発的に研究に参加することを承諾した者とする、このようにして得られた同意のことを、インフォームド・コンセントという。
参加者に説明すべき事項としては、目的、方法、手順、便益とリスク、結果の不確実性の程度などである。より具体的な内容は「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成26年12月22日、文部科学省・厚生労働省)」に示されている。
介入研究では、ある要因の適用や除去あるいは治療法が目的とする疾病予防や予後改善に役立ちと予想されるが確実ではない段階、つまり効果が十分にわからない状態において研究に参加することになるため、文書によるインフオームド・コンセントが基本的に必須である。(新たに実施する)疫学研究では、研究目的による被験者への侵襲がない場合、例えば検診データの研究利用について、検診会場に集まった人たち全体に口頭で説明したり、検診会場に検診データを疫学研究に利用する旨の文書を掲示してインフォームド・コンセントを得ることも可能であるが、拒否の機会を保障しなければならない。

 

「鷲尾昌一:はじめて学ぶやさしい疫学(日本疫学会監修), 改訂第2版, p101-110, 2010, 南江堂」より許諾を得て抜粋し転載.

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